空き家再生はまずどこに相談?

賃貸するんだから不動産業者に相談?

昨今、空き家対策が叫ばれておりますが、残念ながら年々増加傾向にあるようです。

使用者もなく放置が続けば老朽化がすすむとわかっていても、「痛んでるし賃貸するにも初期投資がかかる」「借り手がつかなかったらどうなるの?」といった不安もあるでしょう。

確かに、賃貸市場の動向を理解したうえで賃貸経営に挑むべきですから、日ごろから流通に関わっている不動産仲介業者へ相談するのが普通でしょう。

ただし、もともと貸すために建物を取得したわけではない空き家オーナーの場合は、アパート経営者と違い、『思い入れのあるものは手離したくない』または『子に残してあげたい』といった“想い”や、“ご自身の終活にも似た人生設計”がより強く伴う特徴があります。

本当の目的は、リスクや不安を背負わずに、財産の価値や魅力をできるだけ理想に近い状態で維持していくことではないでしょうか。

汚れたところをキレイにすればいいわけではない。

まずは“建築士の視点で診断”し、本当に必要な修繕項目を洗い出してから、収支計画を立てることをおすすめします。

建物の健康状態を十分に確認せずに、内装や各種設備に投資してしまい、いざ貸してから重大な欠陥が見つかっても…収支計画は後戻りできません。

利益相反のないプロフェッショナルチーム

もちろん、収支計画を立てるには、家賃相場や地域特性、消費者トレンドなどの情報収集も無視できません。

不動産仲介業者、建設業者、設備業者、デザイナー、金融機関、司法書士…目的や課題に応じて、相談すべき専門家も多岐にわたるでしょう。

なるべく『元請け』的な立場の専門家は立てずに、各分野のエキスパートがそれぞれ対等に活躍しあうような『プロジェクトチーム』が編成されるのが理想的だと思います。

- ズバッと言うと -

…次のような異業種間の主導権争いに巻き込まれないように!(※あくまでも運が悪い例)

建築会社:「受注すればこっちのもの。もちろん工事は大掛かりになればなるほどオイシイ。投資しすぎて家賃が高くなっても、いいモノ使ってるんだから適正価格なんだと言いはればいい。借り手がつかなかったら、それは不動産屋の営業力の弱さが原因とつっぱねればいい。」

不動産会社:「魅力のない物件は、借り手がつかず仲介料も発生しないから、かまってもムダ。とにかく今、見映えがよくなる安いリフォームの元請けとってしまえ。10年後なんて知ったこっちゃない。多少費用が高かったとかゴネられても、借り手さえつけばおとなしくなる。」

- 空き家再生の事例 -

 

ここでご紹介する事例は、当面住む予定はないが、“賃貸収入を生みながら活用される建物”として再生をはかったケース。

内装だけでなく、外壁や軒天その他、劣化の原因になりそうな箇所をメンテナンスする前提で、収支計画が建てられ、リフォーム中に借主様も現れました。

現在は居宅兼アトリエとして利用されております。

山形における各種助成金に関するお問い合わせや、解体・残存物整理などのご相談もお待ちしております。